
産経新聞社が主要企業101社に対して実施したアンケートで、安定的な電源(複数回答)として原子力発電に期待すると回答した企業は69%に上った。人工知能(AI)の普及などに伴う電力需要の増加が見込まれる中、原発を最大限活用する必要があるとの意向が反映された形だ。一方、中東情勢の緊迫化を受け、今後のエネルギー政策の方向性(複数回答)では、再生可能エネルギーの導入拡大が最多となった。
原発に期待するとした企業からは「国際競争力のある価格で電力を供給でき、温暖化対策にも有効だ」(金融・保険業)、「エネルギー密度が高く、二酸化炭素(CO2)を排出しないベースロード電源として期待できる」(情報通信業)といった声が上がった。
原発以外の主要な電源にも3~4割の企業が期待を寄せているが、再エネに関しては、電力の安定的な供給のために「蓄電池の活用が必要だ」(製造業)といった指摘もあった。
足元では中東情勢の緊迫化で原油価格が高止まりしている。原油先物市場では、指標となる米国産標準油種(WTI)が一時1バレル=110ドル台まで上昇し、石油化学製品の値上げも相次いでいる。
こうした状況を踏まえ、今後政府がとるべきエネルギー政策の方向性に対しては、再エネの導入拡大を求めた企業が約8割で最多だった。「持続可能な国内経済の発展が見込める」(製造業)など、どちらかといえば中長期的な課題としてみる企業が多かった。
また、日本が輸入する原油の9割以上が中東産のため「特定の国・地域への依存を避け、調達先の多様化を進めることが重要だ」(製造業)など「代替調達先の確保」を求める声も多かった。火力発電の高効率化や海外依存度の低い原発の最大限活用を求める声も目立つ。
原子力規制委員会の審査に合格していた東京電力の柏崎刈羽原発6号機(新潟県)が1月に地元の同意を得て再稼働した。2011年3月の東電福島第1原発事故以降、再稼働した原発は33基中15基となった。
再稼働のペースについては、妥当と回答した企業が60%と最も多かった。遅すぎるとした回答企業も13%いる一方で、早すぎるとした企業は1%にとどまった。審査に合格し、地元同意を得た原発を着実に再稼働すべきというのが多くの企業の考え方といえそうだ。