呉線絶景と朝ビールに思う人生の真理

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Yuki Tanaka
経済 - 04 6月 2026

私が中学生だったころ、寝台特急「安芸」が走っていた。山陽新幹線が博多まで全通した昭和50年に登場したが、わずか3年で消えてしまった。三ノ宮駅で見たEF58電気機関車が牽く元祖ブルートレイン・20系客車の「安芸」は、この世のものではない妖しさを放っていた。

当時この世のものではなかったサンケイ3号君は「撮りたかったですねぇ」と羨ましがるが、私も乗っていない。悔やんでも悔やみきれない痛恨事だ。

「まだまだ次がある」と思っても次の機会は二度と再び訪れない。人生不変の真理である。

呉線から特急列車が消えて久しいが、今は観光列車「etSETOra」(「瀬戸」を列車名に練りこんでいる)が、週末を中心に広島―福山間で運転されている。残念ながら本日は水曜のため乗れなかったが、人気でなかなか予約がとれないとか。予約をとれなかった方には、ぜひ各駅停車の旅をお勧めしたい。

糸崎を8時21分に出発した広行き電車は、三原で小休止。呉線は単線なので、行き違いの電車が遅れたため発車できないのだ。まぁ慌てない、慌てない。10分ほど遅れて三原を出て間もなく、左手に瀬戸内海と大小さまざまな島が混然一体となって、一幅の絵の如く車窓に広がっている。遠くに「しまなみ海道」の吊り橋も見える。天気予報は芳しくなかったが、雨男サンケイ君と違って3号君は、晴れ男である。穏やかな瀬戸内にふさわしい青空が広がっている。

2両編成の電車は、立ち客はおらず、程よい混み具合だ。これなら心置きなく糸崎駅前のセブン―イレブンで調達したビールが飲める。海を眺めながらの「朝ビール」は、なんとも心地よい。3号君も「最高ですね」と相槌を打つ。これで駅弁があれば、言うことなしだが、贅沢はほどほどにせねばならぬ。

安芸幸崎から忠海までは、海岸線ギリギリを走る絶景ポイントだ。忠海では、外国人観光客がどっと降りた。船で10分ほどの大久野島に行くようだ。同島では戦時中、毒ガスを製造していたが、今や野生のウサギが何百羽もいる「ウサギの島」として名が知れた観光地となった。

ウサギに関心のない当方も旧軍の遺跡見たさに途中下車の誘惑にかられたが、広島に重要な用事がある。先へ急ごう。

「仁方といえば連絡船だね」と3号君に話しかけたが、ポカンとしている。さすがの彼もこの地から松山市の堀江港まで国鉄の連絡船が通っていたことを知らなかったようだ。仁堀連絡船は、昭和21年に輸送力不足に陥っていた宇高連絡船の補助航路として開設されたが、赤字のため同57年に廃止された。1日3便しか運航されておらず(廃止時は2便)、「いつかは乗りたい」と焦がれつつ、これまた乗れなかった。人生に「いつか」は、ない。と、感慨にふけったところで、続きは明日のこころだぁ!(コラムニスト 乾正人)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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