t>

政府は増加する在留外国人に対応するため、在留手続きの手数料を大幅に引き上げる方針だ。出入国在留管理庁が3日に示した政令案では、永住許可で20倍、在留期間の更新でも最大で10倍以上の値上げとなる。背景には、受け入れコストが膨らむ中、手数料が諸外国と比べて低額で維持されてきた経緯があり、入管関係者は「外国人政策にかかるコスト増を見越した負担の適正化」との見解を示している。
国内の在留外国人数は、労働力確保などを目的とした政府の受け入れ拡大などを背景に増加傾向が続いており、新型コロナウイルス禍後は特に顕著に増加。令和7年末時点で約412万人に達し、この5年で100万人以上増えた。一方、外国人受け入れのための費用を賄う手数料の上限は昭和56年以降、1万円で据え置かれていた。
とくに外国籍のまま日本に期限なしで住める「永住許可」の手数料は、米国(31万5000~41万円)、英国(62万9000円)、カナダ(17万~26万7000円)と欧米主要国と比べて圧倒的に低く、比較的手数料が低いドイツ(2万4000円)や韓国(2万2000円)の半分以下だった。
永住許可とは別に、就労できる滞在資格にかかる手数料も、フランスでは1年の在留期間で5万8000円かかる。制度が異なるため単純比較はできないが、日本より高く設定している国が多い。
入管庁によると、年間の手数料収入は数十億円程度だったが、今回の改定により、在留資格の変更・期間更新のみで690億~920億円程度になると試算。永住許可も含めると940億円になるとの試算もある。想定される申請数に対応する230億円以上の実費を賄うほか、日本語教育や相談窓口の体制強化、難民認定審査にかかる経費など、「秩序ある共生」に向けた外国人政策の財源とするとしている。
欧米主要国もこうした政策への充当を前提に手数料を定めているといい、入管関係者は「これまでの手数料は上限が障壁となり、審査に伴う実費すら賄えていなかった。今回の手数料は諸外国と比較しても高すぎず、低すぎずという位置づけだ」とする。