
有価証券報告書で男性の育児休業取得率の開示が義務化されて以来、大企業を中心に取得率が急上昇している。3位の髙島屋、2位のNTT西日本に続くトップ企業の顔ぶれは、日本社会の働き方改革の到達点を示すものだ。このランキングは、東洋経済オンラインが独自に集計した200社のデータに基づいている。
なぜ男性社員の育休取得率がここまで伸びたのか。背景には、政府の「産後パパ育休」制度の拡充や、企業に対する開示義務の強化がある。投資家や取引先からも、育休取得率の低い企業への評価が厳しくなっており、経営トップの意識改革が進んでいる。
上位企業はいずれも、制度の整備だけでなく、職場の文化や上司の理解促進に力を入れている。例えば、育休を取得しやすい雰囲気づくりや、取得前後の業務引き継ぎマニュアルの作成、復職後のキャリア支援など、実効性の高い取り組みが共通する。
こうした動きは、単なる「制度の形骸化」を防ぐための重要なステップだ。実際、取得率が高い企業では、取得後の離職率が低く、社員のエンゲージメント向上にも寄与しているというデータもある。
しかし、課題も多い。中小企業では依然として取得率が低迷しており、長時間労働や固定的な性別役割意識が根強い職場も少なくない。ランキング上位企業の成功例を横展開し、日本全体の働き方改革をさらに加速させる必要がある。