
京急電鉄の都心側の玄関口である品川駅では、終着電車が折り返すための「引き上げ線」と呼ばれる線路が北側に延びている。この引き上げ線沿いには、小さな駅舎のような建物がひっそりと佇み、鉄道ファンの間で通称「新品川駅」として親しまれている。一般の乗客が目にすることはほとんどなく、さながら都会の秘境駅のような存在だ。
「新品川駅」は正式な駅ではなく、引き上げ線を管理するための施設であり、通常は関係者以外立ち入ることができない。しかし、その独特な佇まいから、長年にわたり鉄道ファンの撮影スポットとして知られてきた。近年はSNSなどでその存在が広まり、より多くの注目を集めている。
この秘境駅の周辺では、大規模な工事が同時進行している。品川駅自体の改良工事に加え、駅北側の再開発プロジェクトが本格化しており、周辺の街並みは大きく変貌しつつある。工事の進捗により、「新品川駅」の風景も数年後には一変する可能性が高い。
普段は立ち入りが制限されている品川駅の屋上や引き上げ線からの眺めは、特別な機会にのみ公開されることがある。そこから見える景色は、都市のダイナミズムと鉄道インフラの緻密さを同時に体感できる貴重なものだ。記事では、そうした非公開エリアの写真や解説を通じて、知られざる品川駅の魅力を紹介している。
「新品川駅」は、品川駅と街の大規模工事の中で、一時的に残るノスタルジックな風景とも言える。工事が完了すれば、この秘境は姿を消すか、あるいは全く異なる形で生まれ変わるだろう。今この瞬間の「新品川駅」とその周辺の移り変わりは、鉄道ファンだけでなく、都市の変革を記録する上でも貴重な記録となっている。