
東京都内の各自治体では、首都直下地震を想定した防災の拡充が相次いで進んでいる。
墨田区は東日本大震災から15年を迎えた今年3月11日、区内の建設事業者らでつくる墨田建設産業連合会と「災害時における工作協力隊の派遣に関する協定」を締結した。同協定は平成8年に結ばれたが運用実績がなく、今回見直しを図った。
具体的には、災害発生時に避難所や病院、警察といった重要拠点につながる区道を、同連合会所属の事業者が優先的に復旧。区道に亀裂などが生じた際の閉鎖作業も担う。今後は区と連携した防災訓練も実施する。同区の担当者は「絵に描いた餅にならないよう、しっかり両者で連携して運用していきたい」と意気込む。
目黒区は4月から区立中目黒公園で、水や電気が止まっても利用できる「循環型トイレ」の運用を開始した。区は首都直下地震で東急中目黒駅とJR目黒駅付近に約7200人の帰宅困難者が発生すると想定。災害時にも使えるよう女性用とバリアフリー用の2台を設置。屎尿や排泄物は微生物とフィルターで浄化され、洗浄水として再利用可能。平時は電気や上下水道に接続して運用し、災害時には太陽光発電と蓄電池に切り替え、約4000回(約10日間)使用できる。
豊島区は家電量販店「ビックカメラ」など民間企業6社と「災害発生時における情報発信の協力に関する協定」を締結。地震発生時にJR池袋駅周辺の各社の街頭ビジョンやデジタルサイネージを活用し、情報提供を行う。日本語、英語、中国語、韓国語の4言語の動画で適切な行動を呼びかける。東日本大震災時、同駅周辺に帰宅困難者が集中し緊急車両の通行が妨げられた教訓を踏まえた取り組みだ。