
食料品の消費税をゼロにする「社会保障国民会議」の実務者会議が28日、これまでのヒアリングで浮かび上がった課題を三つに整理した。議長を務める自民党の小野寺五典税制調査会長は「経済等への影響、システム改修関係、農林水産業といった事業者への影響」と指摘し、今後「三つのパートに分けて議論を深めていきたい」と述べた。
高市早苗首相は1月、2年間限定での食料品消費税ゼロに向け「検討を加速」すると表明。自民党は衆院選で同政策を公約に掲げ勝利している。3月以降、実務者会議は週1回以上のペースで開催され、小売業界や外食業界、経団連、農業団体、金融市場関係者、経済学者らにヒアリングを実施してきた。
消費税収は年金や医療などの社会保障に充てられ、税収の約4割は地方自治体に配分される。ヒアリングでは、消費減税による地方財政への影響や年間5兆円の財源確保の必要性を指摘する意見が相次いだ。また、レジシステムの改修に要する期間や、農業・外食事業者の経営への影響を懸念する声も出ている。
政府・与党内では、消費税率を1%引き下げる案も浮上。レジ改修の時間短縮が可能との見方がある一方、与党内からは「党内で議論してから発信を」と慎重な意見も出ている。食料品消費税ゼロを巡っては、地方自治体から年2兆円の税収減を懸念する声も上がっている。
実務者会議は今後、三つの課題をそれぞれ専門のパートに分けて詰める方針。高市首相は「とにかくやる」と意欲を示すが、財源確保やシステム改修など克服すべき課題は山積しており、年内実施は難しいとの見方も広がっている。