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倭国の女王卑弥呼の墓ともされる奈良県桜井市の箸墓古墳で、周濠をせき止める「渡り土堤」が今年2月に出土した。同古墳では2例目で、濠内に水をためる役割があり、古代人が水との闘いを強いられていたことが分かる。
発掘は1月20日に始まり、市教育委員会が前方部南側を調査。夜間は氷点下となる厳冬期で、三輪山西麓の扇状地形に位置する現場は、山からの地下水が常に湧き出していた。
渡り土堤は墳丘の周濠をせき止める構造で、この発掘により、巨大古墳の築造において水の管理が重要な課題だったことが明らかになった。古代人は湧水との闘いに苦心したとみられる。
箸墓古墳の周辺調査は昭和52年から断続的に行われ、今回で21回目。半世紀近くにわたる調査の蓄積が、古墳の謎解明に寄与している。
被葬者論争も続く中、宮内庁が管理する墳丘本体の発掘はできないが、周辺調査の進展により、古墳時代初期の技術や社会の実態が徐々に明らかになっている。