
複雑なフレームワークに悩んでいるビジネスパーソンは少なくない。しかし、本当に必要なのはシンプルな思考の型だという。サイボウズで事業責任者を務めた田村悠揮氏は、たった2つの円をノートに描くだけで思考を整理できる方法を提唱している。この手法は「〇2つ思考法」と呼ばれ、誰でもすぐに実践できる点が特徴だ。
田村氏は自身の経験から、多くの人が「考えすぎて動けない」状態に陥ると指摘する。複雑なフレームワークを覚えることに精力を費やすあまり、本質的なアイデア創出がおろそかになりがちだという。そこで氏が考案したのが、ノートに大きな円を2つ描き、それぞれに「現状」と「理想」を書き込むというシンプルなプロセスである。
具体的には、左側の円に現在抱えている課題やモヤモヤをすべて書き出し、右側の円に実現したい理想の状態を具体的に列挙する。その上で、2つの円の重なり合う部分に注目することで、次に取るべきアクションが浮かび上がる。この手法は「ギャップ分析」を直感的に行うための道具として機能する。
田村氏は「悩むことと考えることは違う」と強調する。悩みは感情的に停滞するが、考えることは行動へとつながる。〇2つ思考法は、感情的な悩みを客観的な課題に変換し、具体的な一歩を踏み出すための最短ルートを提供する。実際にこの方法を実践したビジネスパーソンからは「思考の整理が一瞬でできた」「チームでの議論が活性化した」との声が寄せられている。
思考の鋭さは特別な才能ではなく、シンプルな型の反復によって獲得できる。田村氏は「『あの人はいつも視点が鋭い』と思われるためには、まず自分の中のモヤモヤを可視化し、理想とのギャップを埋める行動を習慣化することが重要だ」と語る。複雑なフレームワークに頼る前に、2つの円を描くことから始めてみてはいかがだろうか。
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