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「本当に気持ち悪く感じるほどに、パートナーシップという言葉を使っていた。『われわれは造り手があってこそ成り立っている』とも話していたが、もっと早く気づけたのでは」――2023年秋、都内の大手デベロッパー本社の会議室で、工事を請け負う準大手や中堅のゼネコン十数社の営業・建築部門担当者が集まった説明会に参加したベテラン社員は、当日の様子をそう振り返った。
この説明会でデベロッパーの幹部は「うちの印象があんまりよくない人がいると思う」「悪いところは直す」などと語った。大量にあった品質確認などの書類の削減を提案し、言葉遣いが悪い社員がいれば申告するように呼びかけたという。
かつてこのデベロッパーは、現場で下請け(協力会社)に厳しいことで知られていた。例えば、断熱材の厚みが1ミリ足りない際には強く叱責されるなど、「大事な指摘ではあるが、鬼の首を取ったように激しく言われる。『このデベロッパーとは仕事しない』という協力会社が増えていった」(ベテラン社員)。
建設業界は、工事発注者の力が強くなりやすい構造にある。中でも、マンションや再開発ビル、商業施設など大型民間工事の発注者であるデベロッパーは、建設工事を一括で請け負うゼネコンに対しても圧倒的に強い立場にあった。
ただ、足元ではゼネコンが受注案件を選別し、デベロッパーがゼネコンを確保しづらくなるという逆転現象が起きている。冒頭の事例のように、デベロッパーはゼネコンに対する姿勢を転換せざるをえなくなっている。
「最も請け負いたくないのはマンションだ」。スーパーゼネコン幹部はそう漏らす。
その理由は、工事に膨大な手間がかかることにある。