
共産党の山添拓氏は参院憲法審査会において、高市早苗首相が掲げる憲法観について鋭い言葉で批判を展開しました。山添氏は、首相が施政方針演説以来、どのような国を作り上げたいのかという「理想の姿を物語るものが憲法」と繰り返している点に着目しました。この主張に対し、憲法は権力を縛るものであるという立憲主義の基本を忘れた「立憲主義をわきまえない暴論」であると断じ、首相が負うべき憲法尊重擁護義務の重さを改めて強調しました。
山添氏はさらに、自民党内での憲法改正に向けた具体的な動きについても強い疑義を呈しました。首相が12日の党大会で「(憲法改正の)発議のめどが立った状態で来年の(自民)党大会を迎えたい」と述べたことに触れ、強い懸念を表明しました。権力の座にある首相が自ら期限を切って改憲発議を迫るような行為は、民主主義のプロセスにおいて「論外」であると厳しく指摘し、政権の姿勢を非難しました。
議論の矛先は日本維新の会にも向けられ、ホルムズ海峡への自衛隊派遣を巡る議論が再燃しました。山添氏は、維新の馬場伸幸前代表が衆院憲法審査会において、自衛隊派遣について「9条のおかげで(日米首脳会談で)自衛隊派遣を断れる、は戯れ言」と述べたことを引用して真っ向から反論しました。トランプ米大統領が停戦合意を破棄して逆封鎖を主張するような緊張下で、9条に反して派遣を強行することが事態の打開につながるのかと問いかけました。
外交政策においても、山添氏は現在の政府の姿勢を「恥ずべき米国従属外交」であると強く批判しました。特に「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」などという極端な主張をやめるべきだと訴え、日本独自の外交努力の重要性を説きました。イランとの間にある伝統的な友好関係を最大限に生かし、戦争を終結させるための粘り強い外交交渉こそが、今の日本に最も求められている役割であると主張しました。
今回の山添氏の発言は、改憲を急ぐ与党や維新に対し、立憲主義の原則と平和憲法の意義を改めて突きつけるものとなりました。特に自衛隊の海外派遣という極めてセンシティブな課題において、武力ではなく外交による解決を優先する姿勢を鮮明にしました。国会後半戦に向け、憲法を巡る議論はさらに激しさを増すことが予想され、国民的な議論の深まりが不可欠となっています。
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