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熊本県で最大震度7を観測した地震は、住宅の倒壊や家財道具の散乱など広い範囲に被害を及ぼした。断水や停電も続き、再び強い揺れが起きる恐れがあるため、多くの被災者が避難所で夜を過ごしている。事情はそれぞれだが、誰もが願うのは「早く日常に戻りたい」という思いだ。被災後初の週末、避難所を取材した。
1日午後、熊本市南区の避難所・火の君文化センターでは、2匹の犬を連れた家族が車に移動しようとしていた。53歳の女性は「地震で自宅は物が散らかってしまい住めない。これからペット対応の避難所に移る」と話した。1匹は人懐っこいが、もう1匹は誰かがテリトリーに入ると怒ることがあるという。一緒にいた高校1年の女子生徒(15)は「好きなときにご飯が食べられないのがつらい」と不安な表情を浮かべた。
同センターに避難する40代の女性は「本震がまだきてないという話もあるので不安」と訴えた。10年前の地震の後に建てられた公営住宅に住んでいたが、建材の一部が落ち、家具などが部屋に散乱したという。「病気があり、手伝ってくれる人がいなければ片付けが難しい」。小学5年の息子は親戚の家に避難したが、自身は近くで1人暮らしをする娘が心配で避難所に残った。
当たり前の日々を失った被災者を元気づけようと、熊本市と災害協定を結ぶシダックスグループのシダックス大新東ヒューマンサービスは1日、同市南区の避難所・アスパル富合でカレーとフルーツカクテルを振る舞った。小学6年の男子児童は「おいしかった」と笑顔を見せた。同社の担当者は「苦労の多い時期だからこそ、栄養バランスの整った、おいしく楽しい食事をしてもらいたい」と話した。
日常は遠い。八代市内の避難所に身を寄せる高校2年のバスケットボール部員の男子生徒(17)は「早く体を動かしたい」と話す。発災時は友人とプールに入っていて大きな地震とは思わなかったが、帰路で倒壊した家屋を見て驚いたという。自宅が断水し、家族で避難所へ。近くで寝泊まりする被災者と仲良くなり、「ホープ(希望)だからね!」とかわいがられる。「バスケの好きなところは、チームの連係で試合に勝利すること」。コートを全力で駆ける日を待ちわびている。
2日、避難所になっている同市立鏡小のげた箱には食料など多くの物資が積まれていた。桑原理子校長は「考えられないくらいの多くの物資に感謝している」と話した。一方で、トイレの水は学校のプールから運んでおり、枯渇しそうだという。
移動手段のない人や高齢者は遠方まで出向いて風呂に入ることができず、ボディーシートなどで体を拭いている。敷物やパーティションも十分ではなく、避難生活の長期化を心配している。