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シリア外務省は9日、西部タルトスの海軍基地と北西部ヘメイミームの空軍基地の扱いを巡り、両基地にある民間施設を段階的にシリア政府の管理下に移す一方、軍事施設に関しては「合同訓練センター」に転換すると定める覚書を両国が締結したと発表した。移行作業は3カ月以内に終えるという。シリア国営通信社が伝えた。
今回の覚書締結により、ロシアは今後も両基地に一定の軍事力を駐留させる根拠を得たとみられる。民間施設の移管と並行して、軍事機能は訓練センターとして再編される見通しだ。
ロシアはシリアの両基地を地中海地域で軍事的影響力を行使する重要拠点として位置づけてきた。タルトス基地はロシア海軍の地中海における貴重な補給・修理拠点であり、ヘメイミーム空軍基地は中東・アフリカ方面への作戦展開の前線基地として機能してきた。
ただ、2024年12月に親密な関係にあったアサド前政権が崩壊し、両基地の租借合意の有効性を巡る問題が浮上。新政権下で基地の将来は不透明になっていた。
ロシアはアサド政権打倒を主導したシャラア暫定政権と両基地の扱いに関する協議を続けてきた。今回の覚書は、中東での影響力維持を図るロシアと、大国との関係構築を模索するシリア新政権の双方の思惑が一致した形と言える。(小野田雄一)