
関東を中心に人気を集めたジョイフル本田の格安ガソリンスタンドが、業界再編とガソリン供給構造の変化を受けて全店譲渡へ。安売り神話を築いた秘密や、大手石油元売りの寡占化による業界変容の実態に迫ります。ガソリン業界の明日はどこへ向かうのでしょうか。
ジョイフル本田がガソリンスタンドで低価格を実現できたのは、仕入れから販売までを効率的に運営する体制があったためだ。ホームセンターの来店客に給油を促すことで集客力を高め、人件費を抑えながら販売量を伸ばしてきた。しかし、元売りの統合が進んだことで、安価な燃料の調達が次第に困難になった。
こうした業界再編の波は、出光興産によるジョイフル本田の給油事業買収という形で表面化した。出光興産は全国の系列スタンドを統合し、供給網の効率化を図っている。ジョイフル本田にとっては、燃料の安定調達やコスト競争力の維持が難しくなったため、事業譲渡の判断に至ったとみられる。
実際、ガソリンスタンド業界では独立系の小規模事業者が減少し、大手元売りへの集約が加速している。価格競争の激化や需要減少に加え、脱炭素化の流れも影響している。ジョイフル本田の撤退は、こうした構造変化を象徴する事例といえる。
ガソリン業界の将来について、業界関係者は給油所の減少が今後も続くと見込む。一方でEVシフトが進む中、給油事業のビジネスモデルそのものが転換期を迎えている。ジョイフル本田の決断は、業界全体の行方を占う試金石となるだろう。