
バレーボール男子日本代表の若き才能、大塚達宣選手(25)がイタリア1部リーグ・セリエAのミラノで目覚ましい成長を遂げている。在籍2季目となった今季、彼は攻守の要としてチームを力強くけん引し、CEVチャレンジカップでの優勝という栄冠を手にした。一時は負傷離脱を余儀なくされたものの、若手の育成に定評のあるロベルト・ピアッツァ監督も驚くほどの進化を見せている。欧州の舞台で磨かれたその実力は、日本代表の将来を担う存在として確固たるものになりつつある。
大塚選手が真価を発揮したのは、2月25日に行われたレギュラーシーズン最終戦のクネオ戦だった。腹筋の負傷から復帰を果たした彼は、約2カ月ぶりとなる先発出場という大役を任された。コートに立つ喜びとともに、戦列を離れていた期間のブランクを埋めなければならないという緊張感が会場を包んでいた。しかし、彼はその重圧を跳ね除け、かつてないほど堂々としたプレーで観客を魅了したのである。
復帰戦の心境について、大塚選手は当時の率直な思いをこう振り返っている。「僕が入っているからこその『何か』を見せないといけない、という重圧はあった。それでも、そんなことは忘れて自分らしく、『帰ってきた自分のプレーを見てくれ』ぐらいの気持ちで、堂々と楽しくプレーできた」と語る通り、その表情には迷いがなかった。自らの役割を再認識し、プレッシャーをエネルギーに変える強さがそこにはあった。
試合は白熱した展開となったが、第2セットの勝負どころで大塚選手は何度もトスを託された。期待に応えるように力強いスパイクで得点を重ね、最後は鮮やかなサービスエースを突き刺してセットを奪い取った。守備面でも相手の強打を正確にセッターへ繋ぐなど、攻守両面で隙のないパフォーマンスを披露した。彼の躍動はチーム全体に波及し、最終的にストレート勝ちを収める原動力となった。
技術面だけでなく、精神的な支柱としての貢献も大きいのが大塚選手の特筆すべき点である。コート内では常に声を出し、ワンプレーごとに笑顔で仲間を鼓舞し続ける姿が印象的だった。その明るさに呼応するようにミラノの選手たちも生き生きとボールを追い、チームの結束力は一層強まった。ロベルト・ピアッツァ監督がその進化に舌を巻くのも、こうした数字に表れない影響力を含めてのことだろう。
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