
兵庫県立大の研究チームは、近畿北西部の里山に生息するツキノワグマの秋の主食が、従来考えられていたドングリではなく、種の周りに水分が多い果肉を持つ「液果類」であるとの研究結果をまとめ、12日付の国際学術誌に発表した。各地で相次ぐクマの出没予測への活用が期待される。
国内におけるツキノワグマの食性研究は、これまで北日本や東日本の冷温帯域が中心で、暖温帯域である西日本エリアのクマの食性については、まとまった研究が行われていなかった背景がある。
研究チームは令和3年4月から6年12月にかけて、兵庫県豊岡市を中心にツキノワグマのふん288個を収集し分析を実施。その結果、ドングリが豊作な秋のふんに、アオハダやウラジロノキなど水分を多く含む液果類が多く含まれていることが判明した。
さらに、ツキノワグマが多く人里に出没した6年には、栗が主要な食べ物だったことも分かった。同年はドングリや液果類だけでなく、代替食となる柿なども軒並み凶作だったが、栗だけは影響を受けなかったため、代替となる栗を求めて人里近くに姿を現したとみられる。今後も森の液果類が不足する場合、柿や栗を求めて人里に出没する可能性が考えられる。
研究チームの藤木大介准教授は「今回の研究で、クマの出没がドングリの豊凶に影響されない地域があることが分かった。地域ごとに食性を調べて、何がクマの餌になるのかを把握する必要がある」と語った。(宮崎秀太)