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バイク界の“SUV”2台を比較試乗 「トレーサー9」と「GSX-S1000GX」が描いた日常性という新境地

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Yuki Tanaka
自動車 - 10 8月 2026

ヤマハのスポーツツーリング「トレーサー9 GT+ Y-AMT」と、スズキのスポーツクロスオーバー「GSX-S1000GX」。高い運動性能と快適性を高い次元で融合させた両モデルは、バイク界の“SUV”とも呼べる存在だ。しかし、そのキャラクターはどこで分かれるのか。数日間にわたって両車を手元に置き、ワインディングから市街地まであらゆるシーンで向き合ってみると、意外なほど「日常性」に寄り添った2台であることが見えてきた。

まず、その成り立ちから見ていこう。トレーサー9 GT+ Y-AMT(以下、トレーサー9)は2025年5月に、GSX-S1000GX(以下、S1000GX)は2026年4月にそれぞれ市場へ投入された。いずれも長距離ツーリングを想定したスタイリングと機能を備え、前後17インチホイールを履きながらも、やや背の高い足長スタイルという点で共通する。883ccの直列3気筒を積むトレーサー9に対し、S1000GXは998ccの直列4気筒。排気量は110cc、最高出力は120ps対150ps、最大トルクは93Nm対105Nmと、スペック上のパワー差は明白だ。「バイクは直4じゃなきゃ」という主義を持つライダーにとって、S1000GXは最初から選択肢に入ってくるだろう。

だが、S1000GXのエンジンがすべてにおいて勝っているわけではない。気になるのは燃費とのトレードオフだ。WMTCモードで21.1km/リットル(トレーサー9)に対し、S1000GXは16.2km/リットル。その差は4.9km/リットルに上り、満タンからの航続距離にして90km以上もの開きとなる。燃料タンク容量は両車とも19リットルで同じだけに、この数字はロングツーリングの計画を立てる上で無視できない要素だ。

一方、装備面ではトレーサー9が強力なアドバンテージを誇る。アダプティブクルーズコントロールやマトリクスLEDヘッドライト、Y-AMT、電動スクリーン、グリップウォーマーといった充実の装備を標準で備えながら、車体価格は198万円。S1000GXの211万2000円より13万円以上も安い。この“手抜かりのなさ”は、まさにヤマハの戦略的な強みと言えるだろう。

興味深いのは、こうした構図がスズキ車のイメージと連なっていく点だ。以前、比較試乗したヤマハ「XSR900」とスズキ「GSX-8TT」でも同じような傾向を感じた。「よく走り、装備も充実しているのに、この価格はお得だよね」。そんなコストパフォーマンスの高さが、いまだにスズキのブランドイメージとして付きまとう。四輪では今もなお、信頼性と走破性、経済性を理由にスズキ車を選ぶユーザーは少なくない。しかし二輪に関しては、その印象は変わりつつある。決してがっかりという話ではないが、小中排気量モデルがインドやASEAN諸国で飛躍的な成長を遂げる一方、日本と欧米における大排気量モデルの在り方が、やや見えづらくなっているのは確かだ。

とはいえ、またがってしまえば話は別だ。S1000GXはスリムな車体としっくりくるライディングポジション、低回転域からのフレキシブルなトルク、直感的に操作できるインターフェイスなど、スズキならではの扱いやすさが随所に光る。ペースの上がらない市街地でも持て余すことなく、すいすいと街を抜けていける。トレーサー9もまた、その大きな車体を感じさせない身軽さを持っている。両車とも、見切りがよく、アイポイントが高く、姿勢は楽で、ハンドリングは切れ味鋭い。路面をしっかりと捉える足まわりに、高度な電子制御。これらはすべて、上質なSUVに通じるバランス力の高さにほかならない。

そうした気軽さこそが、両車の本質かもしれない。テネレ700ほどのハードな走破性も、ハヤブサほどの平均速度の高い巡航性も求めない。BMWのアドベンチャーやツアラーが誇る万能感と比べても、またがって走り出すのにさしたる気構えも気合もいらない。混雑した市街地だろうが、渋滞の幹線道路だろうが、粛々と車体を進められる気楽さ。思い立ったらいつでも遠くへ行けて、必要な荷物はしっかり積めて、望めばスポーティにも走れる。疲れた時には数々のアシスト機能がもてなしてくれる。そんな高いパフォーマンスを内包しつつ、ごく普通の移動ツールとして日々当たり前に乗れる。その余裕と懐の深さが魅力であり、街中を軽やかに走り抜けていく姿は、実に粋で絵になる2台だった。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Response.jpの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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