
三井化学は27日、原材料のナフサ不足で減産しているエチレンに関し、7月以降は生産設備の稼働率が約8割に回復するとの見通しを明らかにした。5月中旬の時点では7割を下回る状態だったが、米国など中東以外からのナフサの代替調達が進んだため。プラスチック製品の供給不足が緩和に向かう可能性がある。
三井化学は千葉県と大阪府で設備を運営する。市村聡社長は27日の経営概況説明会で「目詰まり問題解消のため、お客さまの要求を見ながら慎重に(稼働率を)上げていこうとしている」と述べた。
国内化学メーカーの4月のエチレン生産設備稼働率は、過去最低の67・3%(速報値)を記録していた。この低迷から三井化学の回復見通しは業界全体の希望となっている。
中東情勢の緊迫化以前から、エチレンなど石油化学産業は国内需要の減少や中国勢の増産で収益が低迷している。三井化学も石化事業の分社化を検討しており、市村氏は中長期的な課題として、ナフサの共同調達といった検討が必要との認識を示した。
三井化学は今後も顧客の要求に応じながら慎重に稼働率を引き上げる方針で、プラスチック製品の供給安定化が期待される。ナフサ調達の多様化が進めば、さらなる生産回復も視野に入る。