
南鳥島(東京都小笠原村)沖の日本の排他的経済水域(EEZ)周辺で中国が継続的に海洋調査を実施していることが、船舶自動識別装置(AIS)のデータ分析などで明らかになった。活動範囲はEEZの外側の南半分に集中しており、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が1~2月に南鳥島周辺のEEZ内の海底からレアアース(希土類)を含む泥の試掘に成功した海域で、中国による包囲網が敷かれている実態が改めて浮き彫りになった。
産経新聞が、AISを搭載した船舶の位置や操業状況を確認できる「グローバル・フィッシング・ウオッチ(GFW)」で調査したところ、データが残る平成24年(2012年)以降、延べ10隻を超える中国の海洋調査船が南鳥島周辺のEEZのすぐ外側で活動を続けていることが判明した。これらの船はEEZ境界に沿うような軌道で航行し、調査範囲は南半分に集中していた。
国連海洋法条約は、EEZ外側の公海での科学的調査の自由を認めており、中国の活動は国際法上は問題がない。中国企業は、南鳥島沖のEEZ外側の東と南の海域で、レアメタル(希少金属)を含む岩石「マンガンノジュール」の大規模な採鉱計画を進めており、直近の調査は主にこれらの鉱区で行われている。
GFWの詳細な分析により、中国がこれら鉱区以外のEEZ境界付近でも探査を実施していたことが新たに判明した。調査船の航跡は境界線をなぞるような形状を示し、中国側が日本のEEZを意識した活動を展開している可能性がある。
今回のデータ分析は、中国が南鳥島沖のレアアース豊富な海域を取り囲むように調査網を広げている実態を裏付ける結果となった。日本の海洋資源開発に対する中国の戦略的な圧力が強まっていることを示している。