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埼玉県川口市は29日、外国人問題を一元的に扱う「外国人対応相談窓口」を7月1日に市役所内に開設すると発表した。出入国在留管理庁の職員が常駐する全国初の取り組みで、政府が推進する「秩序ある共生」政策の一環として注目を集めている。
窓口は市役所1階の「くらし安全課」内に設置され、市職員2人に加えて入管職員1人が常駐する。日本人と外国人の双方からの相談を受け付け、在留管理や支援など国の権限に属する案件に迅速に対応できる。埼玉県とも警察事案などで連携する。
入管関係者によれば、在留管理と支援の両面で、入管庁の地方局や「外国人在留支援センター(FRESC)」の既存ネットワークを活用し、関係機関の連携を強化する方針。入管業務に精通したベテラン職員が配置される見通しだ。
同日の記者会見で、岡村ゆり子市長は「入管職員の常駐により市民の安全安心につながる。外国人にとっても、市ではできない幅広い支援ができる」と述べた。
入管職員を常駐させる背景には、政府が外国人受け入れを推進する一方で、地域の共生施策が自治体任せになっている現状がある。
川口市の人口約61万人のうち、外国人住民は5月1日時点で約5万6千人。特別区を除く一般市町村で最も多く、外国人比率は約9.2%と全国平均の3倍以上に達する。一部の外国人住民と地域住民との間で摩擦も生じている。
地元選出の新藤義孝衆院議員(自民党外国人政策本部長)ら自民党川口議員団は昨年12月、川口市の行政機関として「(仮称)外国人政策対応センター」の整備構想を打ち出し、平口洋法相と小野田紀美外国人共生担当相に国の支援を要請していた。
今年2月の川口市長選では、センター設置を公約に掲げた自民党推薦の候補が敗れ、岡村氏が初当選。構想の行方が注目されていた。
岡村氏は29日の会見で、センター設置には時間と予算がかかると指摘。「新藤代議士、大野元裕知事とも話し、市民にできるだけ早く安心してもらうため相談窓口にした」と説明した。
さらに、「窓口は差別を助長するものではなく、過度な取り締まりをしていくものでもない。センターを作ると、そこだけが相談場所なのかと新たな分断を生む懸念もあり、市役所の中で一緒にやっていくことにした」と意図を語った。
その上で、「私も市民から『本当にこういう外国人が在留していてもよいのか』といった声を聞く。だが在留管理は国の権限で、自治体では限界があった」と指摘した。
「入管職員に来ていただくことで、情報も早く共有でき、これまでできなかった在留支援もできる。私どもにとって非常にありがたい」と期待を示した。