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東京五輪後の再開発需要が一巡した建設業界で、慢性的な人手不足が深刻さを増している。特に、安定した雇用とワークライフバランスを求めて公務員に転職するゼネコン社員が後を絶たず、技術者不足に拍車をかけている現状が浮き彫りとなった。若手の離職や女性技術者の定着率の低さも業界全体の構造的課題であり、各社は待遇改善と職場環境の抜本的な見直しを迫られている。
「同期の中でも、入社3年目で3人が公務員試験を受けました。残業代が確実に出て、休みも完全に取れるというのが最大の理由です」。都内の大手ゼネコンに勤める30代の男性技術者は、転職を決意した同僚の本音を代弁する。給与水準では民間に軍配が上がるケースもあるが、長期的な雇用の安定や、結婚・出産・育児といったライフイベントへの対応力を重視する傾向が強まっている。
建設現場特有の早朝作業や休日出勤、天候に左右される工程管理は、特に若手や女性社員にとって大きな負担となっている。結婚や出産を機に退職する女性技術者は依然として多く、育児休業制度の取得実績や時短勤務の運用実態において、依然として官公庁との格差を痛感する声が現場からは聞かれる。
こうした現状を打破すべく、ゼネコン各社は処遇改善と働き方改革の加速に乗り出している。完全週休2日制の本格導入や月間残業時間の上限規制の徹底、資格取得支援制度の拡充など、従来の「3K(きつい、汚い、危険)」イメージの払拭に本腰を入れ始めた。また、ベテラン技術者の定年延長や再雇用制度を積極的に活用し、長年培われた技能や知識の継承を図る動きも活発化している。
しかし、人手不足の根本的な解消には依然として道半ばであり、業界全体の魅力向上が喫緊の課題だ。建設技能者の高齢化は今後も確実に進行すると見られており、国土交通省の調査でも若年入職者の確保は待ったなしの状況にある。建設業界が持続可能な成長産業として生まれ変わるためには、働く一人ひとりのキャリア形成と生活の質を真に保障する制度設計が問われている。