
改正物流効率化法が今国会で成立し、長距離トラックの荷物を途中で別の運転手に引き継ぐ「中継輸送」の推進に向けた支援が確定した。高速道路のインターチェンジ付近などに駐車場や倉庫を整備する事業者に対し、税制優遇や経費補助を行う。政府はなぜ、こうした中継拠点の整備支援に踏み切ったのか。背景には深刻な人手不足と運転手の高齢化が横たわる。
中継輸送とはリレー形式の輸送手法を指す。例えば東京から大阪までの長距離輸送の場合、中間地点にある拠点で別の運転手に荷物を引き継ぐ。これにより1人の運転手が全行程を担当する必要がなくなる。
従来の長距離輸送は1人の運転手で完結するケースが多く、車中泊を伴うことも珍しくない。中継輸送を導入すれば運転手の日帰りが可能となり、身体的負担が大幅に軽減される。さらに拠点で折り返し荷物を積めば、業務効率化と輸送量の向上も期待できる。
国土交通省は2030年度までに全国20カ所の中継拠点を認定する目標を掲げる。大手物流各社は既に試験的な運用を始めているが、拠点整備には多額の投資が必要で、中小事業者は二の足を踏むケースが多い。今回の法改正はこうした事業者を後押しし、物流全体の「輸送力」低下を食い止める狙いがある。
物流業界ではトラック運転手の不足が深刻化しており、いわゆる「2024年問題」への対応が急務だ。中継拠点の整備は労働環境の改善に直結する施策として期待されている。政府は産経ニュースを通じて、制度の周知と早期の拠点整備を呼びかけている。