家庭薬メーカー6社、新しいオンラインコミュニティでセルフメディケーションの啓発を推進

1 minutes reading View : 1
Avatar photo
Kenji Watanabe
ライフ - 30 Apr 2026

高齢化の進行や医療費の増大で健康保険制度が危機に陥っている。そんな中、龍角散など日本の伝統的な家庭薬のメーカーと薬局の計6社が、誰でも参加できるオンラインコミュニティに新たに作られた「くらしのくすり箱」というコミュニティで、自分の健康を自分で管理する「セルフメディケーション」の啓発活動に取り組んでいる。「自社製品の服用者ではない、一般の人々の声を聞く貴重な場所」としても期待の声があがっており、今後活用していく方針だ。

「家のくすり箱に入っていると”安心するもの”は?」「教えて! 病院に行くほどじゃないけど”ちょっと気になる”体のこと」…。

「くらしのくすり箱」に設定されたさまざまなトピックに、ユーザー同士が「頭痛薬、胃薬、整腸剤、子どもの鼻炎シロップがあると安心です!」「ちょっとしためまいやふらつき…休めば治るけどふと気になります。」など活発に会話を交わしている。

同コミュニティは、薬を正しく使い、薬とともに暮らす力を身につけることを目的に、コミュニティ構築・運営大手のクオンが立ち上げた。現在は龍角散など家庭薬メーカー5社と、東京・蔵前に店舗を構えるみどり薬局の計6社が参加している。

「家庭薬」とは何か。日本家庭薬協会の副会長を務める藤井隆太・龍角散社長は、「明治政府が西洋医学を導入する以前から、伝統的に国民の保健衛生に長く貢献し、今も残る薬だ」と説明する。

生薬などを主成分とし、現代医薬品に比べて効き目がおだやかで、安全性に長い実績があることが特徴とされる。

同協会の未来事業推進委員会で、藤井社長が委員長として最も力を注いでいるのが、健康診断やOTC医薬品(市販薬)を上手に活用して自分の健康を維持する「セルフメディケーション」の啓発活動だ。その背景には、「医療保険制度は崩壊寸前だ」という危機感がある。

高齢化などにより、令和5年度の医療費は48兆円に膨れ上がった。政府は抑制のため、薬の公定価格「薬価」の引き下げを続けている。

藤井社長は「原材料などコスト増の中、製薬会社はどこも苦しい。当社もジェネリック事業から撤退した」と明かす。そして、「すでに医療現場で一部のジェネリック薬品は手に入りにくくなっている」と懸念を示す。

国民皆保険制度により、国民の医療費の自己負担額は低く抑えられている。

「国民に安易に受診する傾向が広がっている。症状が軽く、診療報酬の比較的低い患者の対応に医療機関は忙殺され、経営も厳しい。保険制度を守るため、まずは一人一人が病気にならない努力をすべきだ」と訴える。

2025年7月に開設されたコミュニティ「くらしのくすり箱」は、3月時点で1.2万人の登録者がいる。

活動はまだ始まったばかりだが、藤井社長は「ユーザーの生活スタイルや趣向の変化を知る手段としては非常に有効だと思う」と期待。参加企業からも「顧客と直接交流する手段がなかったわれわれにとって、大きなチャンス」という声が上がっている。

OTC医薬品メーカーは、医薬品医療機器等法(薬機法)により、国の承認を受けていない薬の効能や副次的な効果に言及できない。

胃腸薬「御岳百草丸」などを販売する長野県製薬の家高敏彰社長は、取材にオンラインで参加。「家庭薬は健康維持のため、さまざまな場面で使われてきた。今も残るものには、数百年にわたって、安全性と効果の面で評価を得てきたものも多い」と話す。コミュニティについては「ユーザーのさまざまな症状や製品の仕様体験などが投稿されており、今後の参考になる」と評価する。

核家族化が進み、かつてのように家庭薬の使い方が、家庭内や地域コミュニティなどで伝承されることも少なくなっている。

乳幼児用薬を販売する宇津救命丸の宇津善行社長も同じくオンライン参加。「少子化などもあり、子供の夜泣きや癇癪について相談する相手がなく困っている親は多い」と話す。

そして、「コミュニティなら、ユーザー同士が交流する中で、家庭薬の使い方や健康知識を高め、それぞれの悩みに解決策を見出していけるのでは」と両社長は声をそろえる。

また、便秘薬の毒掃丸で知られる山崎帝國堂の竹内眞哉社長のように、「自社製品の愛用者以外の意識を知ることができれば」と期待を抱く声もある。

各社には相談窓口があるが、寄せられるのはすでに製品の愛用者で、深刻な症状に悩む人の声が多い。

竹内社長は、「CMが訴求する層は、すでにうちの製品を知っている。ごく普通の人々がどんなお通じの症状や悩みを持っているかを把握し、今後の製品展開に生かしたい」と語る。

性ホルモンの塗り薬を製造・販売する大東製薬工業の福井厚義社長は、「わが社の製品は、誤解を受けやすい」と打ち明ける。

「コミュニティに集う特定の偏りのない層を対象に、『ホルモンが不足している人に、多すぎない程度に補充する』という考え方の浸透の仕方を研究できそうだ」とみている。

家庭薬メーカー5社とは異なる、薬剤師の視点でコミュニティに参加するのが、ファーメスティ社が運営する「みどり薬局」だ。

同社取締役の薬剤師、坂口眞弓氏は、コミュニティについて、「医療従事者と一般の方の間に生まれる意識の〝開き〟について再確認できる」という点を評価する。

みどり薬局では、店頭で顧客の相談に応じ、OTC医薬品の情報提供や販売する形でセルフメディケーションの推進活動を行っている。

「気軽に相談できる店」を目指してきたが、コミュニティには取り組みを評価する声の一方、「店に入りにくい」「オンラインでも相談できたら」というコメントもあった。

2月から、望まない妊娠を防ぐため性交後に服用する「緊急避妊薬」の処方箋なしでの販売が始まった。コミュニティで「ご存じですか」と問いかけたところ、薬剤師の面前での服用が義務付けられている点について「女性差別だ」とするコメントが寄せられるなど、抵抗を覚える人が少なくないことが分かった。

坂口氏は「コミュニティなしではこうした点への気づきは、なかなか得られなかったと思う。SNSと違い、誹謗中傷がほぼない点も気に入っている」と評価する。

セルフメディケーションの普及については、「高齢者や小学生を対象としたヘルスリテラシー教育の充実」の重要性に言及。「そのためにも、コミュニティのかかわり方に習熟していきたい」と語る。

6社は今後、コミュニティを積極的に活用して、セルフメディケーションによる国民の意識改革を進めていく方針だ。

藤井社長は「まずは自分で健康になろうということ。その時に、長い伝統に裏打ちされた家庭薬は頼りになることをぜひ知ってほしい」と語った。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
Share Copied