
静岡県小山町が運営する道の駅「すばしり」で、指定管理契約が切れた後も地元業者が営業を続けている問題について、町は27日、建物の退去と土地の明け渡しを求める訴訟を起こすと発表した。年間30万人以上が訪れる富士山麓の人気観光施設を舞台にした契約トラブルは、法廷での決着を迫られることになった。
町によると、営業を続けているのはゴルフコースのメンテナンスなどを手がける「観光開発」(同町)。3月末で指定管理契約が満了したにもかかわらず、施設を明け渡さず、現在も不法に占有した状態が続いているという。町との協定では、業者は売り上げの5%または年間2000万円のいずれか多い額を「施設使用料」として納める取り決めだったが、昨年11月分から未納となっており、町は約800万円の支払いを求めている。
さらに町は、4月1日から新たな指定管理者が営業を開始できなかったことによる損害賠償もあわせて請求する方針だ。また、判決を待たずに退去を求める仮処分も申し立てる構えで、裁判所が認めれば早期の解決が可能となる。込山正秀町長は「公有財産の適正管理などの観点から、法的手続きによる解決が必要と判断した。できる限り早期の解決をめざす」とコメントした。
一方、業者側の代理人は取材に対し、「これまで法律に基づいた話し合いがほとんどできていなかったため、法的な場で協議できることを前向きに捉えている」と述べた。町が指摘する「施設使用料の未納」については、「契約期間中にかかった修繕費用の償還請求権と相殺している」と反論しており、双方の主張は真っ向から対立している。
道の駅「すばしり」は、富士山五合目の須走登山口まで約10キロの場所に位置し、2011年にオープン。ホームページでも「富士山に一番近い道の駅」を謳い、2025年度の来場者数は34万人に上る。地元の観光拠点として親しまれてきただけに、今回の事態は利用者や周辺事業者にも波紋を広げている。
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