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就活で「第一志望です」と伝え、企業研究も熱意も十分だったのに、なぜか結果が出ない――そんな経験を持つ学生は少なくない。むしろ最も行きたい企業でこそ手応えを感じられないという声は毎年聞かれる。この「見えないズレ」を解消しなければ、志望度の高さは評価に結びつかない。
多くの学生は「志望度が高ければ評価されるはずだ」と思い込んでいる。企業への思いの強さはそのままプラスに働くと信じている。しかし現場では、志望度の高さが直接評価につながるケースは多くない。むしろ、志望度が高いにもかかわらず評価が伸びない学生には、いくつかの共通した「ズレ」が存在する。
一つ目のズレは、志望度が「感情」で止まっていることだ。「御社に魅力を感じた」「ぜひ入社したい」といった言葉は確かに嘘ではない。しかし、感情の強さだけでは評価の軸になりにくい。企業が求めているのは、その思いが入社後の行動や成果にどう結びつくかという点であり、感情だけでは先が見えない。
二つ目のズレは、志望度の向きが「自分側」に寄りすぎていることだ。「やりたいことができる」「成長できる環境」といった理由はよく見られるが、それだけでは「自分にとって良い会社」という説明に留まる。企業は学生が自社でどう価値を発揮するかを評価しており、志望度が高いほどこのズレは目立ちやすい。
三つ目のズレは、志望度に「一貫性」がないことだ。面接ではこれまでの経験や他社の志望状況と照らし合わされる。企業によって言うことが異なると、深掘りされたときに軸の曖昧さが露呈する。志望度の高さがかえって「作られた印象」と受け取られるリスクもある。
さらに見落とされがちなのが「重さ」のズレだ。熱意が強すぎて、説明よりも思いが先行し、結論よりも気持ちを先に伝えてしまう。これでは面接が対話ではなく一方通行になり、評価は上がらない。志望度は本来プラス要素だが、伝え方を誤ると「扱いづらさ」として映ってしまう。
こうしたズレを見ると、志望度は「高いかどうか」ではなく「機能しているかどうか」が問われていることが分かる。思いの強さそのものではなく、その思いがどう整理され、相手にとって意味のある形で伝わっているか――ここに差が出る。
第一志望だからこそうまくいかない――これは決して珍しいことではない。しかし原因を「緊張した」「うまく話せなかった」といった表面的な理由で片付けてしまうと、同じ結果を繰り返す。志望度の高さをどう扱うか。この視点が次の一歩につながる。
(「内定塾」講師 齋藤弘透) 内定塾は東京・大阪など全国8校舎を持つ就活塾・予備校最大手。新卒の就活事情を解説する連載を産経新聞で担当している。詳しくは公式サイト(http://www.naitei-jyuku.jp/)や志望動機特設ページ(http://www.naitei-shiboudouki.com/)、Facebook(https://www.facebook.com/naiteijyuku)を参照。