
政府から見捨てられたままの戦没者たちがいる。柳条湖事件から盧溝橋事件に至る約5年9カ月の間に戦死し、千鳥ケ淵戦没者墓苑に遺骨が収容されていない人たちだ。戦没者の慰霊などを定めた閣議決定の対象からすっぽりと抜け落ちており、国のために命をささげた「英霊」への非礼が続いている。
5月25日、東京・九段北にある千鳥ケ淵戦没者墓苑で、先の大戦中に海外などで亡くなった身元不明の戦没者を慰霊する政府主催の拝礼式が行われた。今年はロシアやマーシャル諸島、硫黄島などで新たに収容された身元不明の遺骨193柱が加わり、これまでに収められた遺骨は計37万1167柱になった。
式典には秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまがご臨席。納骨堂前で深々と拝礼され、高市早苗首相や戦没者の遺族らが献花した。上野賢一郎厚生労働相は「戦争の惨禍を二度と繰り返さぬよう世代を超えて記憶を語り継ぎ、世界の恒久平和と繁栄に、あたう限り貢献していく」と式辞を述べた。
だが、政府の戦没者「慰霊」には重大な穴がある。拝礼も追悼も受けない戦没者たちがいるのだ。
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