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「山に商売を持ち込みやがって」と罵られたこともある。15℃の寝袋生活を送り、貯金150万円を握って無職になった男が、やがて「名もなき山仕事」を自らの職業として切り開くまで。東洋経済オンラインの取材に応じた松見真宏さんは、山と向き合い続けた果てに、都市や地方とは異なる世界で新たな生業を築いた。
松見さんが山の仕事を志したのは、自然への好奇心がきっかけだった。しかし、当時の周囲からは「そんなことで食っていけるのか」と疑いの目を向けられ、実際に山での暮らしは過酷を極めた。氷点下15度になる寝袋での生活は、体力と精神力を限界まで試す日々だったという。
貯金150万円を元手に始めた挑戦は、決して順風満帆ではなかった。山の仕事に「商売」を持ち込むことへの反発もあり、地元の山岳関係者から激しい批判を浴びることもあった。それでも松見さんは、山に対する誠実な向き合い方を貫いた。
やがて、樹木の状態を見極める技術や、登山道の整備、山の資源を生かした仕事など、これまで名前すら付けられていなかった「名もなき山仕事」が、少しずつ評価を集め始める。松見さんは、山の声を聞きながら、持続可能な形で山と共存する方法を模索し続けた。
現在の松見さんは、山を訪れる人々にその魅力を伝えながら、山の自然を守る仕事を続けている。「山に商売を持ち込みやがって」という言葉は、いつしか「山仕事の先駆者」という評価へと変わった。松見さんの挑戦は、自然と人間の新しい関係性を示す一つの希望となっている。