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拉致膠着打開へ政府・報道の聖域化に警鐘、一括帰国見直し論も国会内シンポ

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Kenji Watanabe
政治 - 05 5月 2026

北朝鮮の拉致問題を巡り、自民党の石破茂前首相が日朝連絡事務所の設置案を改めて提唱した1日の国会シンポジウム。登壇者らは、拉致被害者の家族会が掲げる「全拉致被害者の即時一括帰国」などの運動方針に固執すべきではないとの視点を提示した。拉致被害者は2002年に5人が帰国して以降、1人も奪還できていない。「主流」とされる打開策以外にも議論の対象を広げ、世論を喚起するとともに膠着状態が続く拉致問題の解決につなげたい狙いがある。

シンポは石破氏のほか、自民の平沢勝栄元復興相、中道改革連合の有田芳生衆院議員、立憲民主党の森裕子参院議員、国民民主党の井戸正枝衆院議員、参政党の宮出千慧参院議員、社民党のラサール石井幹事長らが出席した。

メインスピーカーでジャーナリストの高世仁氏は拉致問題が進展しない背景に、北朝鮮の不誠実な対応に加え、日本政府の「不作為」を指摘した。拉致被害者の田中実さん=拉致当時(28)=と特定失踪者の金田龍光さん=失踪当時(26)=の救出に力を入れるべきと訴えた。

高世氏は30年近く拉致を取材し、今年3月、独自情報をもとに『拉致 封印された真実』(旬報社)を出版した。

田中さんは神戸出身。1978年、勤務先のラーメン店の元店主とオーストリア・ウィーンに向かい、消息不明になった。元店主は北朝鮮の工作組織の構成員とされ、月刊誌で田中さんの拉致を告白している。政府は2005年、田中さんを拉致被害者に認定した。

金田さんは、田中さんの幼馴染で「田中さんの所に行く」と言って消息を絶った。拉致問題を調べる民間の「特定失踪者問題調査会」は金田さんを「拉致濃厚」の失踪者としてリストアップしている。

北朝鮮は2人に関して、全拉致被害者の再調査を約束した「ストックホルム合意」を受けた交渉過程で、2015年に平壌での生存情報を日本政府に非公式に伝えたと一部で報じられた。

これに対し、高世氏は「北朝鮮が2人の生存を通知したにもかかわらず、日本政府は面会すらせず放置し、隠蔽している」と問題視。「帰国の期待を抱いたはずの2人が見放されている。こんな残酷なことがあるか。人道上許されない」と語った。

一方、田中さんと金田さんに関しては、北朝鮮が2人の情報公開を条件に、拉致問題全体の幕引を求めたため、当時の政府首脳は拒否したといわれる。

高世氏は「知名度の高くない2人を救っても世論が評価せず、政府の得点にならないからではないか」との見方を示した。

拉致被害者の家族会が運動方針に掲げる「全員一括即時帰国」については「願望としては理解できるが、それ以外の合意を認めない最低条件として機能し、日本外交の手足を縛っている」と指摘。「国会議員も家族会と異なることは言ってはいけないと、忖度が働いている」と述べた。

シンポには拉致をライフワークとし、今年3月に朝日新聞社を退社した鈴木拓也氏も登壇し、「メディア側にも責任がある」と指摘した。自身も田中さんや金田さんの生存情報や、拉致被害者の証言記録、北朝鮮側の説明の矛盾を示す資料を入手しながら、報道に至らなかった経験を明かし、「拉致問題で独自情報を出すことがタブー化し、横並びの報道にとどまる状況が続いている」と語った。

その背景として、拉致に関して「政府が公表していない情報は報じにくいという判断や、世論や批判への恐れが自粛を招いている。異なる議論が封じられる状況がある」との認識を示した。

家族会が掲げる方針について「被害者のご家族で尊重されなければならない」と強調した上で、「ただ、それ以外の議論を封じてしまうような状況になり、メディアは(家族会の方針以外を報じることを)怖がっている」と語った。

被害者の知名度が外交判断に影響しているとの見方も示された。鈴木氏も、横田めぐみさん=拉致当時(13)、有本恵子さん=同(23)、田口八重子さん=同(22)=の3人を挙げて、「著名な被害者が帰国すれば政権評価につながる。そうでない場合は評価されにくいとの政治的判断が働いた可能性も否定できない。だが、命の重さは一緒だ」と語った。

田中さん、金田さんを巡っては、日本で名乗り出る家族はいないという。

シンポには、田中さんの高校時代の親友、坂田洋介さんが登壇。同級生と「帰国を願う会」を結成しているといい、「拉致は人生も尊厳も奪う重大な犯罪だ。帰ってきたら抱きしめて迎えたいと思っている人はたくさんいる。このことを忘れないでほしい」と訴えた。

特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は、北朝鮮による被害者情報の管理体制に疑問を呈し「組織の改編や粛清で資料が失われている可能性がある。全員の一括帰国は物理的に困難だ」と指摘。

その上で「自衛隊の活用も含め、あらゆる手段を検討し、1人でも取り戻すことが前進につながる。この国の力からすれば絶対にできる」と述べた。

慶応大の礒﨑敦仁教授(北朝鮮政治外交)は「拉致は北朝鮮による国家犯罪であり、被害者に落ち度はない」とした上で、「加害者に制裁を加えるべきとの意見は(世論に)受ける。しかし制裁一辺倒で時間だけが過ぎてしまった」と語った。

研究者や言論空間においても自由な議論が制約されているといい、「『北朝鮮と交渉が必要だ』というと、北朝鮮の肩を持っていると批判される。前に進めるためには、留飲を下げる気持ちのいいメッセージだけではない」と訴えた。

自民の平沢氏は「長年進展がない以上、さまざまな手法を検討すべきだ。一つのやり方に固執すれば解決は遠のく」と述べ、多角的なアプローチの必要性を訴えた。

最後に高世氏は、拉致に関する世論が停滞している要因について「膠着して何も動かないからだ。隠蔽や報道のタブーを打破し、拉致問題をどうすれば前に進めるか、自由に話し合えるようにすべきだ」と語った。

田中さん、金田さんの奪還に力を入れるべきだと再度強調し、「まずは2人について報道されて、2人を救おうという声が高まって初めて政治家は動く。聖域化をぶちやぶることが必要だ」と呼びかけた。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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