
日本製紙は28日、新聞や出版、コピー向けの用紙の生産体制について、現在6つある拠点を石巻工場(宮城県石巻市)、岩沼工場(同県岩沼市)、岩国工場(山口県岩国市)の3拠点に集約する方針を明らかにした。デジタル化による需要減少を踏まえた措置で、2030年度までの実施を検討している。
現在は、白老工場(北海道白老町)、勿来工場(福島県いわき市)、八代工場(熊本県八代市)を含めた計6カ所を新聞や出版向け用紙の主力拠点としている。今回の集約により、これらの3工場は生産から外れる見通しだが、日本製紙は工場の閉鎖や人員削減は計画していないと説明している。
集約対象となる3拠点は、いずれも設備が比較的新しく、物流面でも優位性があると判断された。石巻工場は東日本大震災後に再建された最新鋭設備を備え、岩沼工場は近接する石巻との連携が可能。岩国工場は西日本の需要をカバーする拠点として位置づけられる。
国内の新聞用紙市場は、インターネットやスマートフォンの普及で購読部数が減少傾向にある。出版用紙も電子書籍の拡大や雑誌の発行部数減で縮小が続いており、日本製紙は生産効率の向上とコスト削減で競争力を維持する必要に迫られている。
同社は今後、集約後の生産ラインで高品質な用紙を安定供給するとともに、成長分野と位置づける包装材や衛生用紙などの事業拡大にも注力する方針。今回の集約が完了すれば、国内の紙・パルプ業界における再編がさらに加速する可能性もある。