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日銀は30日、植田和男総裁が6月3日に東京都内で開かれる共同通信きさらぎ会で講演すると発表した。講演は次回の金融政策決定会合(6月15、16日)の直前に行われるため、市場ではこの場で利上げの可能性に関する示唆があるかどうかに注目が集まっている。
日銀は4月28日の決定会合で、中東情勢の緊迫化が経済に与える影響を見極める必要があるとして、政策金利の据え置きを決めた。この判断は市場の一部で予想されていた利上げを見送る内容だったため、円相場は一時的に下落するなど反応が分かれた。
植田総裁は同会合後の記者会見で、市場関係者に対して利上げを予告するようなメッセージを送るか問われ、「どういうコミュニケーションが適切か、足元の経済、金融情勢なども踏まえて引き続き検討していきたい」と述べた。この発言は具体的な時期には踏み込まず、今後のデータ次第で柔軟に対応する姿勢を示したものと受け止められている。
市場では、6月会合での利上げ確率が約6割と高まっている。背景には、円安による輸入物価上昇や、企業の賃上げ動向がインフレ持続性を強めているとの見方がある。エコノミストの間では、植田総裁が講演で早期の利上げを連想させる表現を用いるかどうかが最大の関心事となっている。
日銀はこれまで経済・物価情勢が想定通り推移すれば利上げに踏み切るとの方針を繰り返してきた。今回の講演で植田総裁がどの程度具体的な時期に言及するかが、6月会合の結果を占う試金石になるとみられている。市場関係者は総裁の一語一句に神経をとがらせている。