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楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は10日、楽天モバイルが基地局を整備していないエリアでKDDIの通信網を利用するローミングについて「カバーを要するエリアに関しては10月以降も契約にのっとって継続していく」と述べた。KDDIの松田浩路社長がローミング終了を示唆したことを受けた発言で、都市部での縮小は避けられない見通しだ。楽天には通信品質の悪化を防ぐための大規模な設備投資が求められる。
三木谷氏は「NTTによる独占を切り崩すことで通信の民主化を実現することに協賛をいただいて始められた」とローミングの意義を強調し、KDDIに感謝の意を示した。一方、KDDIはローミング契約の見直しを進めており、松田社長は7日の決算会見で「現在の契約は(今年)9月で終了する方向で進めている」とけん制していた。
楽天は携帯電話事業に新規参入後、自前の通信網を整備するまでの暫定措置として、2019年からKDDIの通信網を使っている。当初は基地局整備が遅れる地方のカバーが目的だったが、電波が行き届きにくい地下街など都市部でも協力範囲が広がった。
KDDIが契約の見直しを迫るのは、楽天の契約回線が1000万件を超え、通信網にかかる負担が増加しているためだ。松田社長は「想定外のエリアからの想定以上の通信量がある」と指摘。市街地エリアでは各社が通信品質を競っており「今後は自社顧客のため資源を割り当てる」と説明し、地方部での協力に原点回帰させる考えだ。
通信エリアの整備では、地下街やビルの陰などへのきめ細かな基地局設置が必要で、設備費用は割高になる。さらに人手不足や資材の高騰も逆風だ。楽天は猛烈な営業活動で契約者数を伸ばし、携帯電話事業の赤字幅を縮小させてきたが、収益化を目前に大きな壁が立ちはだかっている。