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経済産業省が今月発表した令和7年工場立地動向調査で、茨城県は県外企業立地件数が34件となり、9年連続で全国1位だった。大井川和彦知事は、これまでの「量」の拡大から、先端技術やグローバル企業を呼び込む「質」の向上へかじを切る方針を強調する。その象徴的計画として、JX金属による北茨城市、ひたちなか市での約1200億円の大規模投資を歓迎し、県内経済の活性化や国際的な産業拠点化へ強い期待を示す。
県外企業立地件数について、大井川氏は記者会見で「全国最大規模の補助金や迅速な工業用地の整備、専門部局による戦略的営業の成果だ」と胸を張った。
茨城県は過去10年間(平成28~令和7年)の累計でも、県外企業立地件数(359件)、立地面積(1201万平方メートル)で全国1位という実績を持つ。
「今後は『量』だけでなく、投資の『質』にもこだわっていく」(大井川氏)という戦略に合致する形で実現したのが、JX金属による大型設備投資計画だ。
同社は、ひたちなか市の常陸那珂工業団地拡張地区(9万4000平方メートル)などで生産体制を強化し、今後4年間で最大1200億円を投じる方針を決定した。これまでに公表済みの投資を合わせると、総額はおよそ1500億円規模に上る。
半導体や次世代光通信分野の中核的な結晶材料である「インジウムリン(InP)基板」の生産体制を拡充し、同製品の生産能力を7年度比で7~10倍に引き上げる計画だ。
大井川氏はこの投資について、人工知能(AI)ビジネスの拡大に絡み、最大の課題である熱や消費電力の問題を解決する光通信技術に直結するものだと指摘する。「JX金属にとってもさらなる飛躍を実現するものであり、極めて画期的で理想的な投資だ」と高く評価した。
JX金属側も、生成AIから「エージェント型AI」へと急速に発展する中、高速かつ低遅延な通信インフラを備えたハイパースケールデータセンターの需要が飛躍的に増大している状況を投資の背景に挙げている。
大井川氏は、先端ハイテク産業における国際的な主要プレーヤーの拠点となることで「雇用拡大や関連産業への波及、サプライチェーンの強化など、地域社会に多大な好影響をもたらす」との見通しを示す。手厚い支援を武器に、県は世界のハイテク供給網の中核となることを狙っている。