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関西鉄道各社の技術トップが集まり、取り組みや将来展望を議論するシンポジウム「Top of the Railways KANSAI」が5月27日、インテックス大阪で開催された。産経新聞社主催の「第2回鉄道技術展・大阪2026」の併催事業として、前半は各社の講演、後半はパネルディスカッションが行われた。
連載第2回では、近畿日本鉄道取締役常務執行役員・創造本部長の深井滋雄氏と、南海電気鉄道常務取締役・鉄道本部長の今中雄一氏の講演内容を詳しく伝える。
沿線人口が減少するなか、両社は交流人口拡大を狙った観光特急戦略を推進している。近鉄は路線長501.1キロを誇り、人口は大阪、京都、奈良、名古屋に集中し、山間部も多く抱える。
都市間輸送では大阪・名古屋を直結する特急「ひのとり」と主要駅停車のアーバンライナーを運行。観光輸送では奈良、吉野、伊勢志摩などの人気観光地へ、吉野には「青の交響曲(シンフォニー)」、伊勢志摩には「しまかぜ」、奈良・京都には「あをによし」といった観光特急を投入している。
観光特急により移動自体を楽しみに変え、誘客と交流人口増加を図る方針だ。11月には名古屋と伊勢志摩を結ぶ新たな観光列車「レ・サヴール志摩」の運行を開始する。
コンセプトは「美食が誘う優雅な列車の旅」。フレンチを味わいながら伊勢志摩への旅そのものを堪能してもらう。近鉄初の本格的なレストラン列車で、コース料理は志摩観光ホテルの樋口総料理長が監修している。
2030年秋開業予定の大阪IR(カジノを含む統合型リゾート)を見据え、夢洲と奈良、京都、伊勢志摩を直通する列車を検討中。大阪メトロ中央線から近鉄けいはんな線を経て奈良線へ直通する構想で、集電方式の両立が課題。第3軌条区間の台車に搭載した集電靴は架線区間で干渉するため、可動式を開発中。
購入から利用までスマートフォン一つで完結できるデジタル企画切符を2022年から販売。QRコードを改札機にかざすだけで鉄道を利用できる。
関西空港駅の利用者数はコロナ禍前を既に上回り、特にインバウンド客が急増。訪日需要の急回復により駅構内にかなりの混雑が発生した。
当初は事前購入のクーポン券や乗車券・特急券の引き換えを窓口で対応していたため、対応が追い付かなかった。現在は乗車券のデジタル化やクレジットカードのタッチ決済などを積極的に導入。今後はデータ活用により分散乗車や利用時間の平準化、車内混雑の解消に努めるとしている。
関西空港開港時に大量採用した世代が退職期を迎え、運転士の7割が45歳以上という実情がある。なにわ筋線開業(2031年)に向けた人手確保も必要で、その対策としてGOA2.5の導入を進める。
最前部には運転士免許を持たない係員が乗務する形態となる。既存のATS-PN(点送受信パターン制御式自動列車停止装置)を活用し、ハイグレードな自動運転装置を組み合わせることで、大規模投資に依存しない自動運転モデルを構築。将来的には他社にも展開可能なモデルを目指す。
2026年4月には観光列車「GRAN天空」の運行を開始。南海高野線なんば駅から極楽橋駅まで約90分、1日4往復。車内は沿線文化や伝統工芸を感じられる空間で、食事も提供。大阪・和歌山の地元素材、伝統工芸品、再生材を取り込んだ仕上げとなっている。