
外国人と日本人を区別せずに投票を認める全国初の住民投票条例を平成18年に制定した神奈川県逗子市の当時の長島一由(かずよし)元市長が13日までに産経新聞の取材に応じた。同様の住民投票条例制定を目指している東京都武蔵野市の対応について「15年前と内外の情勢が変化し、外国人の参画を懸念する声は高まっている。国防や警察など国益に関する投票は日本人に限るなど、制度のあり方を整理した方が外国人を含む多様な意見反映が進みやすくなるのでは」と語った。
条例案をめぐっては、安全保障やエネルギー問題など国政に関わる事柄が住民投票に付された場合、外国人の意思が影響しかねないと懸念されている。
逗子市の住民投票条例案は18年3月定例会で可決、翌4月に施行された。市内に3カ月以上住む18歳以上の外国人に日本人と同様に投票権を認めたのは、識者や公募の市民らで素案を議論した際に出た意見を反映したためだったという。
武蔵野市では現在、同様の条例制定を目指し、市議会での審議が続いている。住民の間でも、外国人参政権の是非を巡って意見が分かれており、慎重な対応を求める声も強い。
長島元市長は、こうした状況を踏まえ「制度の整理によって、より多くの意見が反映される社会につながる」と述べ、今後の議論に期待を示した。その上で「国益に関わる案件は日本人に限定するなど、明確な線引きが必要だ」と強調した。