
衣替えの季節が到来。大型連休を利用して片付けをしようとしたものの、手がつかずに服があふれている人も多いだろう。専門家によると、デジタル化を活用することで手間をかけずに整理でき、心地よい住まいを実現できるという。
「どんな暮らしを実現したいのか。目標設定が具体的にできれば、片付けは意外とスムーズにはかどるはずなんです」と語るのは、家事代行サービス「カジタク」を運営するアクティア(東京)の鈴木志づ菜さん。同社で「オンライン片付けレッスン」も担当する整理収納アドバイザーだ。
アクティアが昨年実施した調査では、「最もストレスだと感じる家事」の1位は「片付け」だった。鈴木さんは、このストレスをデジタル化で軽減できると指摘する。
例えば服。クローゼットに服がぎゅうぎゅう詰めで、着たい服がすぐに見つけられない場合もある。鈴木さんがすすめるのは、デジタル画像による「自身の持ち物の把握」だ。服を1枚ずつ撮影して、スマートフォン(スマホ)に画像データで記録する。衣替えの際も、箪笥や押し入れなど、保管場所とセットで名前を付けて画像を保存しておけば、どこに何があるかが把握できる。
またスマホ上で買い物中に確認できるようにしておくと、持っている服に似たようなものを買い足す失敗も防げる。最近は、スマホで使える写真管理アプリも充実している。
鈴木さんは「客観的に写真で見ると、長年着ていない服を冷静に判断でき、手放しやすくなります」と語る。
こう話すのは、ウェブサイト「おうちプリントダイエット」を運営する整理収納アドバイザーの青山順子さん。例えば、出席予定の会合の日時や場所が確認できる書類をスキャナーで読み取り、データ化。紙の書類は適宜、処分することができる。またスマホやパソコンに画像を保存する際は、「仕事」「夫」「子供」などと名前にキーワードを付けておくと、必要なときに検索して閲覧しやすくなる。
「デジタル化の最大のメリットはこうして瞬時に必要な情報を引き出せるところにあります」と青山さん。子育て中の人は、年度初めに届く事務的な1年間の行事予定表のように、後で確認するものをどんどんデジタル保存するのも暮らしを整える一手になり得る。そうすれば、書類の散逸を防ぎながら、部屋をすっきりと片付けることもできる。
ただし、著作物などのデジタル化は違法にあたるケースがあるので気を付けよう。
手放すのに躊躇する「思い出の品」も、デジタル画像化で整理が進む。子供時代に描いた絵や、手作りした結婚式の席次表などスキャンしてデジタル画像化し、パソコンやスマホ上に保存。立体的なオリジナル工作も撮影して、写真や動画として残す。データが破損する場合もあるのでハードディスクなど複数の記録媒体に入れておこう。
それでもすぐ捨てられず迷う場合は、「データ化済み」のシールを貼った「思い出ボックス」に保管しよう。ボックスがいっぱいになったら、そのときの価値観に合わせて取捨選択する。「片付けは自分にとって大事なものを見極める訓練です。片付けが苦手な人でも捨てる決断をする筋力『捨て筋』を鍛えれば弱点を克服できるはず」と青山さん。
大型連休のタイミングで片付けや大掃除に取り組もうとする人は結構多いという。まずは手元のスマホを相棒に、部屋と気持ちの整理を始めてみたい。