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防衛省は、陸上自衛隊が運用する10式戦車の近代化改修を進めている。2010年の採用から16年が経過した10式戦車にとって、今回の改修は単なるマイナーチェンジではなく、初めての大規模な近代化となる。
これまで陸上自衛隊の戦車は、旧式化して実戦に耐えられなくなっても、そのまま使い続けられるのが常だった。そうした歴史を考えれば、10式戦車を現代の戦場に適応させようとする試み自体は、一定の評価に値するだろう。しかし、その改修の中身が本当に適切なのかどうかには、大きな疑問が残る。
防衛装備庁は現在、10式戦車の近代化に関する詳細な情報を公開していない。ただ、本稿の取材によれば、改修の概要はおおよそ次のようなものだ。センサー類と火器を組み合わせたRWS(リモート・ウェポン・ステーション)の搭載に加え、レーダーなどで敵のドローンやミサイルを迎撃するAPS(アクティブ・プロテクション・システム)の装備が計画されているという。
さらに、5個だった転輪を6個に増やし、車体を延長することも検討されている。ただし、重量の増加は47トンまでに抑える方針で、近代化の内容は必要最小限にとどめられるようだ。また、すべての10式戦車を改修するわけではないとも伝えられている。
そもそも、10式戦車の開発自体に疑問を抱かざるを得ない。欧米では、90式戦車と同世代の戦車に近代化を施し、現在も第一線で運用し続けている。それならば、なぜ日本はわざわざ新しい10式戦車を開発したのか。その理由とされたのが、戦闘重量50トンの90式戦車では、全国の主要国道の橋梁の約65%しか通過できないという問題だった。
北海道以外での運用に支障があるとされたため、10式戦車は44トンにまで軽量化された。さらに増加装甲や弾薬、燃料などを下ろせば40トンとなり、73式運搬車や民間の40トントレーラーにも搭載可能になる。これにより、主要国道の橋梁の約84%で通行できるとされた。
であればこそ、冒頭の疑問はなおさら深まる。そもそも北海道でしかまともに運用できない90式戦車を、なぜ最初に採用したのか。10式戦車の近代化をめぐる議論は、陸上自衛隊の装備調達における戦略性の乏しさ、運用理念の不在、そしてコスト意識の欠如を、改めて浮き彫りにしていると言わざるを得ない。