
ネット時代のヒットメーカー・米津玄師の成長を支えたソニーミュージックの戦略の背後には、1960年代から時代にシンクロしたタレント創出で業界を席巻した大賀典雄の存在があった。ソニーの独自性は、この生まれながらのリーダーから生まれたのである。
大賀典雄は「ボーン・キング」と呼ばれたカリスマ経営者だ。盛田昭夫は彼の才能をいち早く見出し、ソニーのトップに据えた。大賀は単なる技術者ではなく、芸術とビジネスの両方に深い理解を持つ異才だった。
彼のリーダーシップのもと、ソニーは音楽、映画、エレクトロニクスを融合させ、世界的なエンターテインメント企業へと変貌を遂げた。特にCDやウォークマンなどの革新は大賀のビジョンなくして語れない。
ソニーの独自性は、ハードとソフトの両方を掌握し、ユーザー体験を最優先する姿勢にある。大賀はこの哲学を徹底し、競合他社とは一線を画すブランド力を築いた。
現代の米津玄師の成功も、実はこの大賀が敷いたレールの延線上にある。ソニーミュージックは大賀の遺産を継承し、アーティストを育てる土壌を守り続けているのだ。