
売上倍増の決算で注目を集めたユニシアHD(旧串カツ田中HD)。その原動力は、2025年に買収したイタリアンファミレス「ピソラ」でした。なぜ居酒屋チェーンがリゾート空間を持つファミレスを選んだのか。95億円という買収額の真価を、実際の店舗体験と財務数字から検証します。
ピソラの最大の特徴は、5000円からの食べ放題コースが主力商品であることです。「高級ファミレス」と称されるこの業態は、串カツ田中とは真逆のポジショニング。しかし、ユニシアHDの経営陣は、この買収によって「全く新しい客層と需要を開拓できる」と期待を寄せます。
実際にピソラを訪れてみると、驚きの光景が広がっていました。リゾート感あふれる内装、豊富なメニュー、そして客層の幅広さ。従来の串カツ田中の客層とは明らかに異なる、家族連れやカップルで賑わっていました。スタッフは「平日でも満席に近い」と語ります。
買収額95億円は、ピソラの安定した収益基盤と成長性を評価した結果と言えます。串カツ田中のような単品売りではなく、定額制の食べ放題モデルは、リピート率が高く、客単価も安定。さらに、ファミレスという業態はコロナ禍後も堅調な需要を示してきました。
ユニシアHDは今後、ピソラのノウハウを串カツ田中の新業態開発に活かす方針です。居酒屋とファミレス、一見異なる二つの業態の融合が、外食業界に新たな波を起こす可能性を秘めています。現場の声と数字が示すシナジー効果に、引き続き注目です。