
トランプ大統領が提唱する古典主義建築への回帰は、アメリカ社会における政府の理想像をめぐる議論を再燃させている。ホワイトハウスの改築計画には巨大な凱旋門のような構想も浮上し、その象徴性が注目を集めている。
トランプ氏はブルータリズムなどの現代建築を「醜い」と批判し、連邦政府の建築物は古代ギリシャ・ローマ様式に倣うべきだと主張。2020年には大統領令で新築の連邦建築に古典様式を義務付ける方針を示した。
この動きに対して、建築家や歴史家からは「民主主義の多様性を損なう」との反発が上がる。一方で、国民の間には「国家の威厳を示すには古典様式がふさわしい」との支持も根強い。
オバマ元大統領はシカゴに建設中の大統領図書館で、コミュニティとの融合を重視した現代建築を採用。このアプローチは「市民のための建築」として評価される一方、「記念碑的でない」との批判も受けた。
建築は単なる機能性を超え、国家の価値観を体現するメディアである。トランプ氏とオバマ氏の対照的な建築観は、アメリカが何を理想とするのか、根源的な問いを投げかけている。