
約6600万年前に恐竜を絶滅させたとされる小惑星衝突の痕跡を、東北大学などの研究チームが北海道浦幌町で確認し、19日に国際科学誌電子版で発表した。メキシコ・ユカタン半島北部への落下地点から遠く離れた今回の地層の分析は、衝突が引き起こした地球規模の環境変動による生態系崩壊と、その後の回復過程の実態解明につながると期待されている。
同じ町内で昭和61年に別の場所で同様の痕跡が報告されたが、当時は証拠不足と指摘されていた。今回の研究では元素の同位体比などを詳細に分析し、確実性が高いと結論づけた。
小惑星の衝突で大量の粉塵が世界中に拡散して堆積した地層は、恐竜が生息した白亜紀と衝突後の古第三紀を区分する「K/Pg境界層」と呼ばれる。研究チームは同町を流れる川流布川の支流に面した泥岩層でこの境界層を確認した。
分析には小惑星に比較的多く含まれるオスミウム元素を使用。オスミウムの同位体「オスミウム187」と「オスミウム188」の比率が地球と小惑星で異なる点に着目し、泥岩層の一部で比率の大きな違いを発見した。
この層について、別の指標となるイリジウム含有量の調査や火山灰の放射年代測定、微生物化石や古地磁気の分析も実施。結果はすべてK/Pg境界層とほぼ一致した。
一方で、断層運動により衝突直後から約3万年分の地層が失われた可能性がある。研究チームをまとめる東北大の高嶋礼詩教授は「周辺をさらに調べ、衝突直後の記録を含む地層を見つけたい」と話す。