
高市早苗首相は27日に始まった核不拡散条約(NPT)再検討会議で、「核兵器のない世界に向けた志」などをメッセージで訴えた。一方、国内では核をめぐる二つの議論が浮上している。「非核三原則」の見直しと原子力潜水艦の保有だ。高市政権が年内に予定する安全保障関連3文書の改定に向け、議論の行方が注目されている。
非核三原則は核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という方針で、1967年の佐藤栄作首相の国会答弁がもとになり、全会一致の国会決議を経て「国是」とされてきた。この原則は長年にわたり日本の核政策の基盤となってきたが、近年の安全保障環境の変化により再検討の声が上がっている。
見直し論がくすぶるきっかけは、高市氏の2024年の編著書「国力研究」だ。同書では、22年に安保3文書の一つ「国家安全保障戦略」に「非核三原則を堅持」と記載することに反対していたとし、「『持ち込ませず』については『米国の拡大抑止の提供』を期待するのであれば、現実的ではありません」と主張している。
さらに、原子力潜水艦の保有をめぐる議論も浮上している。これは米英豪の安全保障枠組み「AUKUS」など国際的な動きを背景に、日本も抑止力強化の手段として検討すべきだとの意見がある。安保3文書改定では、非核三原則の記載の扱いとともに原潜導入の是非が重要な論点となる見通しだ。
高市政権は年内の安全保障関連3文書改定を予定しており、非核三原則の見直し論と原潜保有の議論が現実の政策にどう反映されるかが焦点となる。核兵器のない世界を訴える一方で、現実的な抑止力の確保をどう両立するのか、高市首相の真価が問われている。
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