
中国で9月3日の抗日戦争勝利80年記念行事を前に反日キャンペーンが続く中、昭和天皇を侮辱するショート動画が交流サイト(SNS)に氾濫していることが25日、明らかになった。これらの動画は極めて悪質で、外務省が中国政府に対応を要請すべき状況にある。
動画は中国の動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」に多数投稿されている。特に、昭和天皇の青年期の写真とみられる画像を使い人工知能(AI)で生成した動画が目立っており、複数の悪質なパターンが確認されている。
AI生成された人物が四つんばいになって犬のようにほえたり動いたりする動画が複数存在する。中には「マッカーサー将軍が犬をしつける貴重な映像」という文字とともに、昭和天皇が連合国軍最高司令官マッカーサー元帥と初会見した日付が表示されるものもある。中国では人を侮辱する際に犬に例える表現が一般的だ。
中国のSNSには反日感情に基づく投稿が無数にあるが、昭和天皇への侮辱は新たな段階に入ったとみられる。中国問題の研究者や外交関係者の間からは「中国も行きつくところまで行ってしまった感がある」との声が上がり、投稿が削除されない現状から中国政府の黙認を疑う向きもある。
中国政府は今年を抗日戦争勝利80年と位置づけ、国内で反日キャンペーンを展開中だ。7月には南京占領を題材にした映画が公開され、9月18日には旧日本軍の731部隊を主題とする映画の公開も予定される。反日感情の高まりが中国在留邦人の安全を脅かす懸念がある。
日本維新の会の石平参院議員(中国問題専門家)は「中国は江沢民政権以来の反日教育で日本の戦争責任を追及してきたが、政府は直接天皇に矛先を向けず、東条英機元首相までにとどめていた。民間とはいえ天皇を標的にするのは一線を越えた」と指摘。「こうした風潮が広がれば、日本を根幹から否定する危険がある。日本政府は中国政府に厳重な対処を求めるべきだ」と語った。