
国内のヒグマとツキノワグマは、山間地域の人口減少などを背景に、分布域が拡大し続けていることが明らかになった。
東京農工大の小池伸介教授(生態学)は、環境省のデータを基に全国を5キロ四方の区画に分け、北海道ではヒグマ、本州以南ではツキノワグマの生息が確認された区画を分布域と判断した。昭和53年に比べ、平成29年は区画の数がヒグマで1・9倍、ツキノワグマで2倍に増加。29年以降も人口減少などは続いており、分布域は拡大傾向にあると考えられる。
小池教授は「クマと人の生活圏が近づき、重複している場合もある」と指摘。今年4月に仙台市中心部に現れたクマは落ち着いていたとし、「日ごろから人の生活圏近くで暮らしていた可能性がある」と話す。
一方、九州でクマが確認されたのは昭和32年が最後で、平成24年には環境省が絶滅を宣言した。本州から関門海峡を渡っても対岸に生息環境がなく、定着は難しいという。四国には30頭程度しか生息しておらず、絶滅が危惧されている。本州のクマが海を渡って定着することは、九州と同様の理由で考えにくい。
本州でも千葉県だけは生息していない。利根川などの河川や市街地が侵入を防いでいるとされる。(松田麻希)