
関西みらい銀行の原藤(はらとう)省吾社長が産経新聞のインタビューに応じ、JR西日本と2027年度から共同展開する銀行サービス「WESTER(ウェスター)ミライバンク(仮称)」について、100万口座開設と預金1兆円の獲得を目指す考えを明らかにした。原藤氏はJR西の鉄道網を念頭に「関西最大の生活動線に金融を組み込み、自社の成長を加速させる」と述べた。
関西みらい銀は5月上旬、JR西との資本業務提携を発表した。JR西は、りそなホールディングス傘下の関西みらい銀の株式20%を取得。銀行の金融システムを異業種サービスに導入して利用できるようにする仕組み「BaaS(バース)」を活用し、新たなサービスを提供する。
原藤氏によると、駅改札内の駅ナカ店舗などの拠点とWESTERミライバンクのアプリを融合し、移動の際に銀行サービスや決済、ポイント獲得などができるようになる。
関西みらい銀は現在、約210万口座が稼働しており、目標とするWESTERミライバンクの100万口座開設がもたらす経営上のインパクトは大きい。原藤氏は口座開設に伴う業務粗利益を100億円と見込む。サービス開始に伴い、課題とされる個人客の新規開拓にもつながる。
原藤氏は「顧客の生活に入り込まないと取引は広がらない。鉄道という手段とともに暮らしの中に入るアプローチが今回の提携だ」と説明する。日常使いの預金を積み上げることで、収益基盤を安定させ、強化する狙いがある。
原藤氏は異業種連携のシナジー(相乗効果)として、ブランド価値の向上にも期待をかける。関西みらい銀のデータで、関西のトップ級地銀の認知度が71.8%だったのに対し、関西みらい銀は54.3%。原藤氏は「金融の枠にとらわれない施策を通じ、ブランド価値を浸透させたい」と語った。(井上浩平)