
ANAホールディングス(HD)と日本航空が30日、2026年3月期連結決算を発表し、いずれも増収増益となった。中東情勢を巡る今期の業績予想については、ANAHDは約600億円の減益に働くと予想する一方、日本航空は影響を反映しなかった。いずれも北米を中心に国際線の底硬い需要が業績を下支えしている。
ANAHDは今期予想で、燃油費の増加に伴うコスト増が営業利益で1400億円のマイナスに働くと試算。一方、5月発券分からは燃油費の変動分を運賃に上乗せして徴収する燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を、本来より1カ月早めて国際線で大幅に引き上げ。コスト削減も進めることから、通年での影響は「600億円に抑制できる」とした。28年3月期には、国内線での燃油サーチャージ導入も検討する。
価格は上昇しても同社は客足を「前年と同水準」とみる。北米からの訪日外国人客(インバウンド)が堅調な上、中東の空域が閉鎖され他国の航空会社が減便する中、欧米-アジアをつなぐルートへの旅行客流入を見込んでいる。
「600億円減益」について、芝田浩二社長は同日の会見で「それが最終的な数字だとは思っていない」と好転に含みを持たせた。
一方、日本航空はイラン攻撃直後の3月2日に発表していた今期の業績予想を据え置いた。純利益は前期比20・1%減の1100億円としたが、前の期に行った資産売却などの反動減が主で、中東情勢の影響は反映していない。
中東影響に関しては、足元では本業のもうけを示す利払い前・税引き前損益(EBIT)で1カ月当たり110億円下押しするものの、斎藤祐二副社長は「国際線を中心に堅調。(燃油サーチャージの引き上げを)1カ月の前倒しができたことは大きく、この状況が続けば取り返せる」と説明した。
両社とも現時点で燃油を確保する態勢が整い、燃油不足による減便の予定はない。斎藤氏は「(予想の)全体像はあくまで収入増が続くこと。燃油の供給が続くことが前提になる」と述べ、状況を注視する姿勢も示した。