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3度目の「大阪都構想」挑戦を掲げて2月に行われた大阪府知事と大阪市長の出直しダブル選を巡り、首長の職権乱用で違法だとして市内の男性が府と市に対し、選挙費用をそれぞれ吉村洋文知事と横山英幸市長に返還させるよう求める2つの住民訴訟の第1回口頭弁論が17日、いずれも大阪地裁(荒谷謙介裁判長)で開かれた。府市側は請求を退けるよう求め、争う姿勢を明確に示した。
この日は原告の男性がそれぞれの裁判で意見陳述を行い、強い口調で訴えた。「明らかに権利の乱用だ。多額の公金を浪費した、首長の『やりたい放題』は許されない」と述べ、選挙そのものが私的目的で実施されたと主張した。
ダブル選では府が約23億円、市が約9億円を支出。吉村氏と横山氏が大差で再選したが、再選後も任期は来年4月までで辞職前と変わらず、市民からは「税金の無駄遣い」と批判が相次いだ。投票総数に占める白票・無効票の割合は知事選が10.29%、市長選が13.77%に上り、有権者の不満が浮き彫りとなった。
この訴訟は、大阪都構想の賛否を問う住民投票を前に、両首長が意図的に辞職してダブル選を実施し、結果的に約32億円の公金を費やしたことが公金支出の目的逸脱に当たるかどうかが争点。原告側は「首長の個人の政治的野心のため」と断罪し、今後の同様の事例を防ぐための司法判断を求めている。
地裁は今後、双方の主張を聞きながら審理を進める見通しで、次回期日は未定だが、住民訴訟の行方が大阪の政治に与える影響は小さくない。専門家は「首長の政治判断と司法審査の線引きが問われる重要なケース」と注目する。