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千葉県柏市にかつて柏ゴルフ倶楽部という名門ゴルフクラブがあった。高度経済成長に沸く1961年に開業したが、つくばエクスプレス(TX)の整備計画をきっかけに2001年に幕を下ろした。JR常磐線の混雑緩和のために開業するTXが、ゴルフ場を縦断することになったからだ。
跡地を含む一帯は、今「柏の葉スマートシティ」と呼ばれている。「ららぽーと」が立ち、タワーマンションが並び、ホテルや研究拠点が集まる。開発面積は約273万㎡、東京ドーム約63個分だ。千葉県、東京大学、千葉大学などと連携して一から街づくりに取り組んだのが三井不動産だ。
東京・秋葉原から約30分の柏の葉キャンパス駅前では、43階建ての免震タワマン「パークタワー柏の葉キャンパス」の建設が27年7月の竣工に向けて進んでいる。工事の仮囲いには「第1期224戸即日登録完売御礼」の文字がある。人気の背景にあるのは駅徒歩1分という立地だけではないだろう。
三井不動産が推進する「経年優化」の理念は、マンションの価値を時間とともに高めることにある。建物だけでなく、周辺のインフラやコミュニティも含めた長期的な管理計画を策定し、住民参加型の街づくりを進める。これにより、築年数が経っても資産価値が下がりにくい仕組みを構築している。
柏の葉スマートシティでの成功を踏まえ、三井不動産は全国各地で類似の大型案件を次々と獲得している。大学や研究機関との連携によるイノベーション創出、スマート技術の導入など、先進的な街づくりモデルが評価されている。同社の戦略は、単なる開発業者から、長期的な価値創造を担うパートナーへと進化している。