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「自由の学風」で知られ、「国際卓越研究大」に認定される見通しとなった京都大のトップが今年10月、6年ぶりに交代する。改革推進力を期待され、次期総長に選出されたのは立川康人副学長・工学研究科教授(62)。教職員による意向調査では3位だったが、最終的な選考会議で〝逆転〟する異例の抜擢(ばってき)となった。さらに意向調査に先立つ予備投票では、昨年ノーベル化学賞を受賞した特別教授がダントツの1位だったことも判明。選考を巡り生じた「3つの異例」とは、意向調査での低順位、予備投票トップの著名研究者の不選出、そして選考会議の長時間化による遅延である。
6月16日の夕刻、京都市左京区の京都大吉田キャンパス内にある本部棟では、報道陣が待機する中、職員がせわしなく駆け回っていた。選考会議の行方に注目が集まり、厳戒な雰囲気が漂う。
この日は、9月末で6年間の任期満了を迎える湊長博・現総長の後任を選出する総長選考・監察会議の第2次選考が実施され、早ければ新総長らによる記者会見が午後4時半ごろに予定されていた。
ただ、職員からは「会議が長引いている。開始時刻は未定」とのアナウンスが繰り返され、最終的に会見がスタートしたのは2時間遅れの午後6時半すぎ。資料も開始直前に慌ただしく配布された。会見で同会議の平野俊夫議長(元大阪大総長)は少し疲れた表情を浮かべながら、「先ほどまで非常に慎重に審議を重ねた結果、次の者を総長候補者として決定しました」と切り出した。
この異例の選出は、自由な学風を重視する京大内部で波紋を広げている。意向調査や予備投票の結果が無視された形となり、教授会の意向と異なる決定が下された背景には、外部から改革圧力がかかっている可能性が指摘される。選考プロセスの透明性を疑問視する声も上がっており、今後の大学運営に影響を与えることは必至だ。