
大阪府八尾市立小学校の遠足で熱中症になった女児と両親が、市に損害賠償を求めた訴訟の判決が24日にあった。大阪地裁は、教諭が女児の申し出を断った対応について、安全配慮義務違反はないとの判断を示した。達野ゆき裁判長は「教員らの対応は裁量の範囲内の措置」と述べ、原告側の訴えを退けた。
問題となった遠足は令和4年5月末に行われ、往復で約1時間半を歩く行程だった。女児の母親は事前に、水筒の中身が足りなくなった際の飲料購入や、異変時の連絡を学校側に要望していた。しかし、復路で女児が体調の不安を訴えたものの、同行した教諭らは対応を行わなかったとされる。
訴状などによると、女児は遠足の途中で教諭に対し、「お茶買って」「ママ呼んで」と繰り返し助けを求めていた。しかし、教諭らはこれらの要望を聞き入れず、女児は帰宅後に救急搬送され、熱中症との診断を受けた。女児側は、適切な措置を講じなかった学校側の過失を厳しく追及していた。
判決で達野裁判長は、当時の教諭らの証言から「女児の体調に異変はなかった」という判断に合理性があると認めた。教諭らが現場で女児の様子を十分に確認した上で判断を下しているとし、義務違反を否定した。その結果、「対応や判断結果に不合理な点はなく、安全配慮義務違反があったとは認められない」との結論に至った。
判決を受け、女児の母親は「子供の命と安全について、大人がどう向き合うべきかを考えてほしいと裁判を起こしたが、伝わらなかった」と心境を語り、控訴の意向を明かした。一方、八尾市教委は「主張が認められたものと受け止めている」とのコメントを発表した。この判決は、学校行事における教員の裁量と安全確保の境界線を問うものとなった。