
菓子大手のロッテがチョコレート原料のカカオ調達において、新たな持続可能性戦略を始動させた。調達先の多様化や産地農家への直接支援など多岐にわたる取り組みで、近年の不作による価格高騰への対応を急ぐ。西アフリカ地域では気候変動やカカオの木の高樹齢化が原因で不作が相次ぎ、「カカオショック」と呼ばれる価格急騰が業界を揺るがしている。
同社はこれまで、主力商品「ガーナ」の名称の由来にもなった西アフリカ・ガーナ産のカカオを中心に、一部南米ベネズエラ産を調達してきた。ガーナ産にこだわる理由について、生産本部資材部の久保直樹部長は「国主導で収穫などの管理をしており、品質が良い」と説明する。日本の菓子メーカーでは、ロッテと同様にガーナ産カカオの比率が高い傾向にある。
気候変動の影響でカカオの収穫量は不安定化しており、国際価格は過去最高水準に達した。ロッテはこうした環境変化に対応するため、従来の調達網に加え、東南アジアや南米の新興産地の開拓に乗り出した。同社は品質基準を満たす産地を精査し、安定供給の確保に努めている。
また、農家支援の一環として、ガーナなど主要産地でカカオ栽培の技術指導や収穫後の品質向上プログラムを展開する。フェアトレード認証の取得推進や、森林保護を目的としたアグロフォレストリーの導入も進めており、環境負荷低減と農家収入向上の両立を図る。
ロッテのこうした取り組みは、業界全体の持続可能な調達モデルの先駆けとして注目を集めている。同社は今後も調達先の多様化と現地支援を強化し、カカオショックのような価格変動リスクに耐えうるサプライチェーン構築を目指す方針だ。